◆はじめに
フランチャイズでは、直営店と加盟店があります。
直営店と加盟店は、同一の商標を使用していますので、外形上、直営店なのか、それとも加盟店なのかを判断することは容易ではありません。
ただ、直営店と加盟店には、いくつかの明確な違いがあります。
そこで、本記事では、フランチャイズ本部の構築を検討している方やフランチャイズ本部に加盟しようと考えている方を対象に、フランチャイズにおける直営店と加盟店との違いを説明します。
この違いを理解できていないと、フランチャイズチェーン加盟後に、思っていたことと違ったとなりかねませんので、注意が必要です。
◆直営店と加盟店の共通点・相違点
直営店とは、フランチャイズ本部が運営している店舗のことをいいます。
他方、加盟店とは、フランチャイズ加盟者が運営している店舗のことをいいます。
直営店と加盟店は、同様の商標を使用し、同様のノウハウを利用し、また、仕入先なども同様の場合があり、共通している部分が多くあります。
ただ、以下のような違いがあります。
◆従業員について
まず、従業員についてです。
直営店の場合、フランチャイズチェーンを展開している会社(フランチャイズ本部)が、直接従業員を雇用することになります。
他方、加盟店の場合、フランチャイズチェーンに加盟している会社(フランチャイズ加盟店)が、従業員を雇用することとなります。
外形上、従業員はすべて、フランチャイズ本部に雇用されているようにも見えますが、実は違うのです。
イレギュラーなケースとして、研修が行われている場合には、加盟店の従業員が、研修のために、一時的に直営店で働いている場合があります。
また、加盟店の人材が確保できていないような場合には、本部の従業員が、加盟店に派遣されて、加盟店で働いているときもあります。
◆店舗で販売されている商品について
次に、店舗で販売されている商品などについてです。
直営店の場合、直営店で販売されている商品などについては、直営店が所有権を有することとなります。
他方、加盟店の場合、加盟店で販売されている商品などについては、加盟店が所有権を有することとなります。
◆店舗の賃貸借について
また、店舗の賃貸借の関係も違いがあります。
直営店の場合、店舗の賃貸借契約は、フランチャイズ本部と賃貸人(大家)との間で締結されます。
他方、加盟店の場合、店舗の賃貸借契約は、加盟店と賃貸人(大家)との間で締結されます。このように、土地や建物を加盟店が用意することを、Aタイプといいます。
ただ、他のケースとして、店舗をフランチャイズ本部が用意し、加盟店がその店舗で運営をするというケース(Cタイプ)もあります。
◆金銭について
最後に、金銭についてです。
直営店の場合、収入や支出については、フランチャイズ本部が管理することになります。
他方、加盟店の場合、収入や支出については、加盟店が管理し、ロイヤリティをフランチャイズ本部に支払うことになります。
ただ、他のケースとして、加盟店が、本部に売上などを支払い、その中から、フランチャイズ本部が、ロイヤリティや仕入代金などを差し引き、残った金額を、加盟店に支払うというケースもあります。
直営店と加盟店は、外形上は同様に見えますが、以上のように、様々な違いがあります。
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弁護士 小林幸平